どんとこい、どん底!

このエントリーをはてなブックマークに追加

誰しもが経験し、誰しもが通ったことがある場所なのに、今そこにいる人にとってはこんなひどい場所はないって思えるし、今そこにいない人にとっては、そこがどんなとこだったかはっきりしない場所・・・。どん底・・・。

自分の経験で・・・。僕、基本的には、その日まで病気とは縁のない人間と思っていました。それがある日、突然、どん底に突き落とさました。脳出血です。当時の環境も、体調もよくはなかったんですが、突然です。話せないし、動けない、頭が、割れるように痛くて、自分がどこにいて、何が起こったのか、発病当時は、状況の把握すら出来なかった。それが、一日経ち、二日経ち、なんとなく自分の状況が分かってくるとまず不安がおそってくる。それから、自分の居る場所が「うわぁ~、ここ、どん底だ」っと気がつきます。実は、どん底にいることに気がつくと、案外落ち着くものだな~っというのが印象です。周りには、いろんな波が押し寄せました。これからどうする、こいつ寝たきりになるのか、誰がこいつの面倒見るのか、心配だ、大丈夫か、保険はどうなってる、労災なんて言わせんぞ、左麻痺か、動くようになるのか、それが問題だ、その前に職場の車の鍵返せよ・・・、とにかく、半身不随の僕に、ふざけた波も、暖かい波もいっぱい押し寄せてきて、そのすべてが今は、笑い話です。

脳出血当時は離婚してて独り身で、これも最悪の状況でしたが、不安を感じる周囲とは温度差があって、おれは、これ以上落ちねぇって思いの方が強かった。登るしかねえって思ってた。看護婦さんに説教されても羽交い締めされても、広い待合室を何時間もかけて行ったり来たり、一人、廊下を行ったり来たりしてました。登るしかねえってね。このままどん底にいるのいやや・・・。ええカッコ言っても一人で出来ることは、たかが知れてました。ソファの周りを回る程度、こけても安心と言う理由です。なくしたはずの家族がしょっちゅう見舞いに来てくれました。その家族は、あれせい、これせいっと言いました。でけへんと思っとんかい、やったら!と・・・。特に長女は、ジャンケンせいと・・・。出来ませんでした。だっこせいと・・・。出来ませんでした。悔しくて悔しくて、一晩中、グーチョキパーやってました。そうしてるうちに家族は戻ってきて、新しい仕事は、環境もよくって、今に至ってます。去年、ガンの摘出手術しました。周りの心配をよそに、まだ、どん底は下の方だな。どってことねぇっと思えました。ここからならすぐに登れる。落ちても知れてる。再発?再発病?再出発に聞こえるぞ!その時がきたら考える。考える楽しみは後だ!今は、問題なし!

どん底に足がついたら、それ以上は落ちません。ここが底かっと思えたら登るしかないんです。さぁ、膝を抱えている時間はもったいない。あがきましょう。あがいていると誰かが声かけてくれる。そのうちロープ投げてくれかも! あがいている人には、貸す手も出てくる。底でうずくまってたら誰にも見えなし、貸す手も届かない。さぁ大声出して、手足動かして登り始めましょう。その場所では考える時間に意味がありません。どうせ誰も見てない、無様なほどあがいてやりましょうよ。そんで後で笑い飛ばせばいい。今の姿は、後の笑い話です。今、どん底にいる人も後で、きっと今の自分の姿に大笑いできますよ。僕が場合そうでした。間違いありません。

 

 

 

 

2013年1月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : humishiotakashima